高硬度材の薄物研磨加工

全工程で変形を考慮して加工

全工程で変形を考慮して加工

写真のワークは、材質SKD11の板を凹型に切削で掘り込み、熱処理後に研磨で仕上げるというシンプルな形状及び工程で製作しております。しかし、平面度・平行度が10μ以内で要求されており、基準となる掘り込み部が薄くなるので、熱処理前の掘り込み加工、熱処理後の歪、研磨加工での変形等、加工としては非常に厄介です。ポイントは全ての工程で変形を考慮して加工する事です。熱処理前の荒加工でも刃物・加工条件・切込み量を調整します。熱処理後はストレスのないクランプを行い、高硬度用の刃物で百分台の切込みで切削を行います。仕上げの研磨でも変形を抑える為に治具を用いて、目と耳で砥石の状態を常に確認し、ドレスのタイミングを決め研磨担当者が経験を基に、図面の寸法・幾何公差を満たした品物です。